「基本」について |
2008年06月07日 06:05:50 |
日記テーマ:私の考え
せっかく日記の機能があるので、今後、ここで私の考えをいろいろと述べていきたいと思います……。
まずは「基本」の話。
多くの人は、何かを習う時に「正しい方法を知りたい」「基本を教えてほしい」ということを言いますね。しかし、「基本」「正しさ」って、いったい何でしょうか?
まず、陸上競技の短距離走について考えてみましょう。速く走るために我々が学生時代に教えられてきたのは、「モモを高く上げて前に伸ばし、地面を力強く蹴る。腰を入れる。腕は良く振る」ということでした。(少なくとも私は)これが「正しいフォーム」だと思い込んできました。
しかし、現在の日本の第一人者である末續選手の走法は、これにはまるっきり当てはまりません。そもそも「モモを高く上げる」は、日本の陸上界に多大なる影響を与えたマック氏の「マック式トレーニング」が誤解されて広まってしまったというマヌケな経緯があるそうです(我々は、この誤解を真に受けてしまったワケです)。また、「足首で蹴る動きをやましょう」というのは、今や短距離界の常識と言ってもいいくらいでしょう。さらに、各自の骨格や筋肉のバランスによっても、最適な走りというのは変わってくるハズですし、西洋人にとっての理想が日本人にも当てはまるかどうか、かなり疑問です。
走ることでさえこうですから、野球のバッティングフォームなどについて考えると、もう、ウンザリです(笑)。イチロー選手のバッティング技術は世界でもトップクラスですが、我々が昔教わった「基本」とはほど遠いものです。しかも、彼は毎年、理想を求めてバッティングフォームを変えています。
ちょっと考えただけでも、「基本」の存在というのは疑わしくないでしょうか? しかし、「どうして多くの人がフォームを固定しようとするのか」「どうしてイチロー選手は固定しようとしないのか」というのは、考えてみる価値があることだと思います。
まず、徹底的に反復することによってフォームを固定すれば、ボールをとらえる位置やバットの軌道を固定することができます。そうすれば、「ある程度」、ボールを捉えやすくなることが見込めます。人によっては、「この打ち方であれば確実に2割8分は打てる」という確信が持てるかもしれません。それまで2割しか打てなかったバッターにとって、これは大変な進歩ですね。ここで満足してしまうのが「普通の人」かもしれません。
ところが、イチロー選手はそれでは満足できません。というか、おそらく、彼の目標は打率やフォームにはありません。ただ「思ったように球を打ちたい」「もっといい感覚でとらえたい」と考えているのではないかと想像します。だから彼は、日々、自分の理想のためにフォームをアップデートしていっているのだと思います。結果として、イチロー選手のフォームは、簡単に真似ができるものではないものになっています。仮に外見だけそっくり真似できたとしても、おそらく内側の筋肉、感覚までは真似できないでしょう。
ただ、誰もやったことがないことをやることには、それなりのリスクも伴います。失敗した時、スランプの時に修正する方法を教えてくれる人がいない世界に突入するのです。やはりこれは、イチロー選手の研ぎすまされた感覚があるから成立していると考えるべきなのでしょう。
そこで、先ほどの「フォーム固定アプローチ」の話に戻ります。この「ある程度の成果が出ている方法で固定する」という方法は、冷静に考えれば悪くありませんね。その方法で成果を得たら、次の世代の選手にも教え、その人がまた成果を上げる……。これを繰り返すことで、その方法の「正しさ」が証明されます。そして集団の中でノウハウをためていくことも可能です。そうすればコーチ陣も、その方法のエキスパートになりますから、「こうすれば上達する」ということが明確にわかるようになります。そこでその方法で育った人は、「ある程度」レベルアップしていっているワケですから、その方法が「正しい」と信じることになります。
こうして形成されていったものが、「正しい」とか「基本」と呼ばれているものの正体なのではないかという気がします。
さて、ここで問題です。それは本当に「正しい」のでしょうか? 他の方法であれば、もっといい結果を得られたという可能性はないでしょうか? いや、もっと言えば、「どんなにインチキな教えでも、方法さえ確立されていればそれなりに成果がでてしまう」と考えることはできないでしょうか?
……と、この先、言いたいことは山ほどあるのですが、長くなるので(すでに十分に長い!)ここでは『そういう「正しいもの」「基本と言われるもの」の存在を、一度は疑ってみましょう』という話にとどめておきます。
まずは「基本」の話。
多くの人は、何かを習う時に「正しい方法を知りたい」「基本を教えてほしい」ということを言いますね。しかし、「基本」「正しさ」って、いったい何でしょうか?
まず、陸上競技の短距離走について考えてみましょう。速く走るために我々が学生時代に教えられてきたのは、「モモを高く上げて前に伸ばし、地面を力強く蹴る。腰を入れる。腕は良く振る」ということでした。(少なくとも私は)これが「正しいフォーム」だと思い込んできました。
しかし、現在の日本の第一人者である末續選手の走法は、これにはまるっきり当てはまりません。そもそも「モモを高く上げる」は、日本の陸上界に多大なる影響を与えたマック氏の「マック式トレーニング」が誤解されて広まってしまったというマヌケな経緯があるそうです(我々は、この誤解を真に受けてしまったワケです)。また、「足首で蹴る動きをやましょう」というのは、今や短距離界の常識と言ってもいいくらいでしょう。さらに、各自の骨格や筋肉のバランスによっても、最適な走りというのは変わってくるハズですし、西洋人にとっての理想が日本人にも当てはまるかどうか、かなり疑問です。
走ることでさえこうですから、野球のバッティングフォームなどについて考えると、もう、ウンザリです(笑)。イチロー選手のバッティング技術は世界でもトップクラスですが、我々が昔教わった「基本」とはほど遠いものです。しかも、彼は毎年、理想を求めてバッティングフォームを変えています。
ちょっと考えただけでも、「基本」の存在というのは疑わしくないでしょうか? しかし、「どうして多くの人がフォームを固定しようとするのか」「どうしてイチロー選手は固定しようとしないのか」というのは、考えてみる価値があることだと思います。
まず、徹底的に反復することによってフォームを固定すれば、ボールをとらえる位置やバットの軌道を固定することができます。そうすれば、「ある程度」、ボールを捉えやすくなることが見込めます。人によっては、「この打ち方であれば確実に2割8分は打てる」という確信が持てるかもしれません。それまで2割しか打てなかったバッターにとって、これは大変な進歩ですね。ここで満足してしまうのが「普通の人」かもしれません。
ところが、イチロー選手はそれでは満足できません。というか、おそらく、彼の目標は打率やフォームにはありません。ただ「思ったように球を打ちたい」「もっといい感覚でとらえたい」と考えているのではないかと想像します。だから彼は、日々、自分の理想のためにフォームをアップデートしていっているのだと思います。結果として、イチロー選手のフォームは、簡単に真似ができるものではないものになっています。仮に外見だけそっくり真似できたとしても、おそらく内側の筋肉、感覚までは真似できないでしょう。
ただ、誰もやったことがないことをやることには、それなりのリスクも伴います。失敗した時、スランプの時に修正する方法を教えてくれる人がいない世界に突入するのです。やはりこれは、イチロー選手の研ぎすまされた感覚があるから成立していると考えるべきなのでしょう。
そこで、先ほどの「フォーム固定アプローチ」の話に戻ります。この「ある程度の成果が出ている方法で固定する」という方法は、冷静に考えれば悪くありませんね。その方法で成果を得たら、次の世代の選手にも教え、その人がまた成果を上げる……。これを繰り返すことで、その方法の「正しさ」が証明されます。そして集団の中でノウハウをためていくことも可能です。そうすればコーチ陣も、その方法のエキスパートになりますから、「こうすれば上達する」ということが明確にわかるようになります。そこでその方法で育った人は、「ある程度」レベルアップしていっているワケですから、その方法が「正しい」と信じることになります。
こうして形成されていったものが、「正しい」とか「基本」と呼ばれているものの正体なのではないかという気がします。
さて、ここで問題です。それは本当に「正しい」のでしょうか? 他の方法であれば、もっといい結果を得られたという可能性はないでしょうか? いや、もっと言えば、「どんなにインチキな教えでも、方法さえ確立されていればそれなりに成果がでてしまう」と考えることはできないでしょうか?
……と、この先、言いたいことは山ほどあるのですが、長くなるので(すでに十分に長い!)ここでは『そういう「正しいもの」「基本と言われるもの」の存在を、一度は疑ってみましょう』という話にとどめておきます。





